シャーガス病|アンビリバボー

2013年8月15日、献血の血液から中南米の感染症シャーガス病の陽性反応が出たと報じられました。輸血による感染者は確認されなかったことでさほど大きなニュースになることはありませんでした。

 

ブラジルのペルナンブコで病院の職員をしていたマヌエルさん(39歳)は、ある日突然心臓発作に襲われ即死しました。解剖の結果、マヌエルさんの心臓は破裂していることが判明。また体に異変をおぼえ緊急搬送された男性は腸が異常に巨大化していました。両者に共通する元凶は寄生虫トリパノソーマ・クルージであることが分かりました。体長200分の1ミリほどの寄生虫がシャーガス病を引き起こしていたのです。

 

寄生虫トリパノソーマ・クルージは、心臓と腸の筋肉に好んで住み着きます。すると、筋肉組織は機能を停止してしまいます。やがて、心臓が耐え切れず破裂したり、腸が巨大化してしまうのです。

 

シャーガス病の元凶である寄生虫をもたらすのが、サシガメと呼ばれる2cmほどの吸血性の昆虫。サシガメは中南米の貧困地域に多く見られ土壁などに生息しています。サシガメが活動を開始するのは人が寝静まった深夜。人間の柔らかい皮膚を好み血を吸います。その際、痛みは全くないため刺されたことに気づきません。

 

ただ、刺されただけでは感染しません。サシガメは吸血後にその場で糞をすることが多いです。この糞の中に寄生虫トリパノソーマ・クルージが無数にいるのです。吸血された傷口がかゆくなり掻いてしまうと糞が傷口に触れトリパノソーマ・クルージが人体に侵入。感染から1~2週間後、刺された部分が腫れたりする場合がありますがすぐに回復。そのためただの虫刺されだと思い放っておく人が多いのです。

 

シャーガス病の本当の症状が現れるのは、感染から10~30年後。ベンゾニダゾールというシャーガス病の進行を抑える薬があるそうですが、日本では認可されていないと言います。

 

そもそもシャーガス病は、今から100年以上前にカルロス・シャーガスとオズワルド・クルズによって発見されました。長らく貧しい農村地帯特有の風土病と思われていたのですが、なぜか近年中南米だけでなく世界中でシャーガス病の感染者の報告が上がっているのです。

 

実はシャーガス病の感染経路は一つだけではありません。中南米に旅行に行った人がサシガメに刺されて感染するケースや、サシガメの糞が付着した一部の果実を使った生ジュースを飲むことで感染するケース、感染した女性が出産し母子感染するケース、輸血・献血による感染もあります。

 

第二次大戦後、中南米では農村に住む人々が大都市に職を求めて移住しました。感染に気づいていないシャーガス病の感染者が都市で献血し、輸血された人々が次々と二次感染を起こしたのです。その後、グローバル化が進み中南米の人々が海外に進出。世界中でシャーガス病の感染者が発見される事態になったのです。

 

いまや感染者は中南米を中心に1800万人と言われ、年間5万人もの人々が命を落としています。

 

「奇跡体験!アンビリバボー」

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