ペルーのセロ・デ・パスコ 命を脅かす巨大な穴|ザ!世界仰天ニュース

日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」で市民の命を奪う危険な穴について放送されました。ペルーのセロ・デ・パスコには街の真ん中に縦2キロ、横800メートル、深さ400メートルの巨大な穴があいています。また、巨大な穴を掘ってでた土砂が積み上げられ山のようになっています。このような土砂の山は街の至る所にいくつも存在します。この土砂の山のせいで住民の体に異変が起きているのだと言います。街にある湖は赤く変色した水と茶色いヘドロのようなもので覆われています。この原因も穴です。穴からの排水が湖に流されているからです。さらに穴を掘って出た土砂が雨水とともに地下に染み込み、街の水道にも混ざり込んでいると言います。

穴は鉱石を採るための採掘穴です。その歴史は古く400年も前から採掘が行われてきました。セロ・デ・パスコはその仕事を求め、人が暮らすようになり大きくなった街です。採掘は今でも続いており鉛や亜鉛が採られています。それらの鉱石は日本にも輸出され、鉛は主に車のバッテリーに使われています。亜鉛はガードレールなど鉄版のメッキ加工で使われています。そんな採掘の時に出た大量の土砂には鉛や亜鉛などの金属屑が含まれており、それは人体にとって有害です。風に吹かれ有害物質を含む埃となって空気中を漂っています。

ホルヘさん(27歳)は妻と息子の3人家族で、夫婦は生まれも育ちもセロ・デ・パスコです。ホルヘさんの職業は画家で、ペルーではかなりの高収入を得ています。ホルヘさんの家庭では掃除とシャワー以外は全てミネラルウォーターを使っています。1ヶ月のミネラルウォーター代は街の平均月収の半分にあたる1万円にもなります。しかし、彼らは特別です。一般家庭では驚きの方法で水を使っています。それは漂白剤を入れるという方法です。街にある全てのレストランでも漂白剤で消毒した水の使用が義務づけられていると言います。しかし、漂白剤の消毒方法には問題があります。漂白剤による消毒は細菌や微生物には有効ですが、有害物質である金属には効果がないのです。

「この街の住民は汚染された水を飲んだり、土砂の山から出る有害な埃を吸っています。そのため住民の多くが鉛中毒に苦しんでいるんです」(セロ・デ・パスコの医師デクチャ氏)

鉛は微量であれば問題ありませんが、大量に摂取することで様々な中毒症状を引き起こします。鉛は血流に乗って体内の各器官に運ばれ蓄積され、永続的に人体の神経システムに影響を与え続けます。そのため、激しい腹痛や頭痛、骨の痛みなどといった体の様々な部分の症状から、うつや幻覚、錯乱など脳に影響を及ぼすこともあります。さらに鉛中毒は特に子どもへの危険度が高く、脳や体の発達障害、歩行困難、重症の場合、多臓器不全などで死に至ることもあります。ただ、このような重度の鉛中毒は環境管理の行き届いた先進国では極めて稀です。ペルーでは国全体の5歳未満の死亡数は1000人中17人ですが、セロ・デ・パスコは1000人中42人が2歳になる前に死亡しています。

 

ペルーの厚生省は2015年に街の子どもに精密検査を実施しましたが、鉛中毒ではないという調査結果を発表しました。しかし、この報告に納得のいかない住民たちは大規模な抗議デモを行いました。それをうけペルー政府は詳しい調査を行うことを決定。鉛中毒の症状が見られる人たちの治療を行い、街に解毒専門病院をつくることを約束しました。しかし、政府は鉱山会社の操業を停止させていません。実はペルーのGDPは6分の1を鉱業が占めています。この鉱業を支えている一つがセロ・デ・パスコです。街では数年前、新たに金を採掘する鉱山が開かれました。この地に住んでいる住民たちは貧しく他の街に引っ越すことはできません。


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