肺がん治療|チョイス@病気になったとき

NHK・Eテレの「チョイス@病気になったとき」で肺がんの治療について放送されました。肺がんはがんの中でも最も死亡者数が多く、年間7万人以上です。

 

なぜ?たばこを吸わないのに肺がんに

神奈川県に住む土居美登利さん(83歳)は2010年8月、市の肺がん検診で右肺にうっすらとした影が見つかりました。紹介されたがん専門の病院で精密検査を行うと肺腺がんと診断されました。肺腺がんは主に肺の奥にできるがんで土居さんの場合、右の肺に約3cmのがんがありました。さらにこの時の検査で左の肺にも別の種類のがんが見つかりました。しかし、土居さんはたばこを一切吸いません。土居さんのがんは幸いにも初期だったため手術で切除する方針になりました。手術は無事に成功し、今も元気に暮らしています。

女性に多いという肺の奥にできるがんでは早期のうちはほとんど症状が出ません。症状が出た時点ではすでにかなり進行していることが多いです。そこで早期に肺がんを見つけるために大事なのが検診です。

 

肺がんをみつけるための検査

胸部X線検査
肺の奥にあるがんを見つけるのに有効

喀痰細胞診
喫煙者に多い肺の入り口付近のがんを見つけるのに有効

CT検査
X線検査より精度が高く2cm以下の小さながんを見つけるのに有効

アメリカの調査では、ヘビースモーカーの人は年1回CT検査を行うことで肺がん死亡のリスクを約20%減らすことができたと言います。非喫煙者は5年おきのCT検査がオススメだそうです。

 

たばこが原因の肺がん

千葉県に住む倉島克之さん(63歳)は8年前からリウマチを患っています。それをきっかけに30年以上吸っていたタバコをやめることに。さらに朝はウォーキングをして健康には人一倍気を付けてきました。ところが、2012年2月、尋常ではない咳に襲われました。異変を感じて3日後、リウマチのかかりつけ医を受診し、胸のX線を撮影してもらうと左肺にかげが見つかりました。翌日、CT検査を受けると肺がんの可能性があると診断されました。その後、がんの専門病院を受診。肺の扁平上皮がんと診断されました。喫煙者に多いタイプの肺がんです。倉島さんのがんは約4cmで、左肺の入り口付近にありました。肺の入り口付近のリンパ節にも転移していたため左の肺を全て切除することに。手術は無事に成功しましたが、治療はまだ終わりではありませんでした。手術から1か月後、再発を予防するための抗がん剤治療が始まったのです。通常、肺がんの抗がん剤治療は1コースが3~4週間。これを4~6コース繰り返し行います。ただし、抗がん剤はがん細胞以外の正常な細胞も攻撃してしまうため、髪の毛が抜けるなど副作用があります。倉島さんも様々な症状に悩まされました。副作用に悩まされた倉島さんは抗がん剤治療を途中でやめる決断をしました。手術から4年経ちましたが幸い再発もなく以前と変わらず仕事も続けています。

 

肺がんの組織型分類

肺がんは組織型によって大きく小細胞肺がん(約15%)と非小細胞肺がん(約85%)に分けられます。さらに非小細胞肺がんは腺がん(約60%)、扁平上皮がん(約20%)、大細胞がん(約5%)の3つに分類されます。

小細胞肺がんは進行が速く、見つかった時点で転移していることが多いため抗がん剤による治療が行われます。一方、非小細胞肺がんでは初期なら手術を行うことが多いです。

 

分子標的薬

がんは遺伝子の異常によって引き起こされます。分子標的薬は、ある特定の遺伝子異常に狙いを定めてピンポイントでそれを攻撃することでがんを縮小させたり進行を抑えたりする効果が高い薬です。がん細胞の遺伝子を調べEGFRやALKという遺伝子に異常が見つかった時には薬が効く可能性があるので優先的に使われます。

EGFR遺伝子変異
ゲフィチニブ(イレッサ) エルロチニブ(タルセバ) アファチニブ(ジオトリフ) オシメルチニブ(タグリッソ)

ALK遺伝子転座
クリゾチニブ(ザーコリ) アレクチニブ(アレセンサ) セリチニブ(ジカディア)

血管新生阻害剤
ベバシズマブ(アバスチン) ラムシルマブ(サイラムザ)

 

最新の肺がん治療法 画期的新薬

長松子さん(63歳)は5年前に肺がんが見つかりました。喫煙歴は30年以上、多い時には1日に1箱半も吸っていました。症状が出始めたのは2010年7月頃でしたが、病院には行きませんでした。ところが3か月後、症状が悪化し病院で精密検査をしてもらい、肺の扁平上皮がんであることが分かりました。ステージはⅢA、右肺に約4cmのがんが出来ていました。長さんの場合、手術が難しく抗がん剤と放射線による治療が行われることになりました。治療はうまくいき、がんは小さくなりました。そこで様子を見ることに。しかし2013年4月、またがんが大きくなり、再び抗がん剤治療をすることになりました。しかし、抗がん剤は長く使うとやがて耐性ができ効果がなくなります。その場合、別の抗がん剤に切り替えます。長さんの場合、治療を始めて4年間で3回薬を変えました。しかし、4種類目の抗がん剤で副作用が非常に強く出てしまったのです。さらに2015年9月に肺炎を併発。医師からはもう使える抗がん剤はないので治療はやめましょうと告げられました。ところが2016年2月、医師から新たな治療の提案がもちかけられました。

実は2015年12月、肺がん治療の画期的な薬が承認されたのです。それが免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブです。体に細菌やウイルスといった異物が侵入した時、私たちの体にはこれを排除しようとする免疫細胞があります。免疫細胞はがん細胞も攻撃します。ところが、攻撃されたがん細胞は反撃を始めます。実は免疫細胞には攻撃を止めるブレーキボタンがあります。攻撃を受けたがん細胞はこのボタンを押すのです。すると免疫細胞は攻撃をやめてしまい、その結果がん細胞が増えがんが進行していきます。これに対し、免疫チェックポイント阻害剤はブレーキを押すがん細胞の腕を外し、ブレーキを守ります。こうすることで免疫細胞の攻撃力は復活するのです。

医師が長さんにすすめたのはこの新薬でした。治療開始から3ヶ月で効果が現れ、長さんの肺がんは小さくなりました。

 

ニボルマブの治療を受けられる人

・非小細胞肺がんの人
・手術を受けられない人 手術後に再発した人
・すでに抗がん剤治療を受けた人

ニボルマブは肺がんの約2割に効果があることが分かっています。しかしニボルマブにも副作用があります。

 

ベストチョイスへの道

・医師としっかりコミュニケーション
・十分納得して治療をチョイス


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