中毒性表皮壊死症|ザ!世界仰天ニュース

日本テレビの「ザ!世界仰天ニュース」で中毒性表皮壊死症について放送されました。2010年8月、女性は看護の道を志し親元を離れ愛知県にある看護学校に通っていました。それは看護学校が夏休みに入った8月下旬のことでした。風邪を引き市販の解熱剤を飲みました。次の日は頭が痛かったため普段から使用している頭痛・生理痛の薬を飲み、ゆっくり休みました。しかし、夜になると体に異変が。息苦しく唇にニキビのようなできものが出来ていました。翌朝になると唇のデキモノがひろがり、目もチクチクと痛みました。近くの病院に行くとヘルペスと診断されました。処方された軟膏と抗ウイルス剤を使用して眠りにつきました。夜になると、強烈な喉の痛みで水はおろか唾液さえ飲み込むことができず、終電で実家のある静岡へ向かいました。

母はすぐに娘を連れ市内にある病院の救急外来へ。しかし、処方された薬を使用して様子をみるように言われました。翌朝になると体に大量の発疹が。皮膚科にいくと入院して詳しい検査を受けることになりました。尿道口がただれ、激痛で排尿ができない状態に。さらに発疹は腕や顔にも広がり、水ぶくれや肌のただれも。すぐにステロイドを大量投与する治療が行われました。医師はスティーヴンス・ジョンソン症候群を疑いました。

スティーヴンス・ジョンソン症候群は薬やウイルスなどに対して体の免疫機能が過剰に反応して起こる激しいアレルギー症状です。100万人に3人の確率で発症し、正確な発症過程はいまだ不明です。高熱、発疹、水ぶくれ、粘膜炎症といった激しい症状が短期間にあらわれ、特に目は約80%に炎症を起こし、まぶたとの癒着や角膜が侵されるため視力障害などの後遺症が高い頻度で残ってしまうとされています。最悪の場合、失明や合併症などにより死に至ることもある重篤な病です。

彼女の場合、服用した2つの薬に含まれるアセトアミノフェンかイブプロフェンのどちらかにアレルギー症状が出たと考えられました。アセトアミノフェンもイブプロフェンも市販薬に含まれる一般的な成分です。スティーヴンス・ジョンソン症候群は誰でもある日突然どんな薬で発症するか分からないのです。

症状が出てから4日目、彼女は浜松医科大学医学部附属病院に運び込まれました。この時には、表面の皮膚がはげピンク色に、発疹と水ぶくれは全身に広がり、目や鼻・口などの粘膜の炎症も非常に激しいものでした。彼女はスティーヴンス・ジョンソン症候群よりも症状が悪化した、中毒性表皮壊死症でした。日本では水ぶくれやただれなど、皮膚が剥がれた面積が10%未満のものをスティーヴンス・ジョンソン症候群、10%以上のものを中毒性表皮壊死症と診断します。彼女の場合は皮膚が剥がれた面積が40%以上もあり、命をおびやかす極めて危険な状態でした。女性には血漿交換療法が施されました。これは血液中のアレルギー物質を除去するために、血液から血漿成分だけを廃棄し他人の血漿成分を戻す治療法です。さらに免疫グロブリンの投与、目にステロイド点眼といった処置がなされました。こうした懸命な治療を続け、一命をとりとめました。目の症状もおさまり、失明をまぬがれることができました。

女性は今でも定期的に治療を続けています。腕の皮膚はポツポツと斑点があるものの元通りの肌に戻りました。しかし爪は一度全て剥がれ落ちてしまい、いびつな状態となってしまいました。炎症の激しかった目は、まぶたとの癒着のため以前より開かなくなりドライアイの症状があると言います。でも、早めの治療が功を奏し光を失わずにすみ大きな後遺症も残りませんでした。退院後は通っていた看護大学に復学し、現在は看護師となっています。

2016年6月2日にスティーヴンス・ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死症(TEN)の診療ガイドラインができました。これにより、スティーヴンス・ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死症に対し早期発見・治療が広まる事が期待されています。




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