孤独に苦しめられる人たち SOSを出せないあなたへ|NNNドキュメント

日本テレビの「NNNドキュメント’16」で孤独に苦しめられる人たち SOSを出せないあなたへが放送されました。大阪・豊中市に困り果てた人たちを立ち直らせてきた女性がいます。コミュニティー・ソーシャルワーカーの勝部麗子(かつべれいこ)さんです。今も福祉制度だけでは救えない人たちにずっと向き合ってきました。体を壊し家から出られなくなった40代の男性。親を亡くし部屋はゴミ屋敷と化していました。一つとして同じ悩みはありません。しかし、そこには共通する現代の病がありました。

 

大阪豊中市にある社会福祉協議会は国の補助金を受ける民間の福祉団体です。勝部麗子さんら14人が住民の様々な相談にのっています。2015年12月、1本の電話がありました。一人暮らしの男性の家がゴミ屋敷になっている、助けて欲しいというものでした。住人の佐藤さん(仮名)は10年以上前から外に出られなくなりゴミが溜まってしまったそうです。喘息と腰の痛みが原因だと言います。一緒に住んでいた父親が亡くなり、今は一人です。

「小さい時は元気だった。健康だった。20代も普通に過ごしていた。きっかけはやっぱり背中が曲がってからかな」(佐藤さん)

中学を卒業してからは工場で働いていた佐藤さん。しかし持病の喘息とアレルギーが悪化し働けなくなったと言います。その頃、父親が亡くなり母親も入院。若い自分が助けを求めて良いのか、どう助けを求めれば良いのか分からなかったそうです。そして10年以上声をあげられませんでした。佐藤さんの年齢は41歳。まだやり直せると勝部さんは思いました。

 

外に出られない働き盛りは豊中市だけで2300人以上います。こうした例は全国で後を絶たないと言います。勝部さんは全国に先駆けて孤立対策に地域に取り組んできました。もともとは教師を目指していましたが、教育実習で給食費を払えない子供たちを見て福祉の世界へと進みました。しかし、制度だけでは救えない現実にぶつかりました。以来、世間から見放されがちな人たちの声に耳を傾けてきました。それでも声をあげられない人たちがいます。誰がどんなことで困っているか色分けし住民で共有しています。支える側も支えることで人と繋がると考えてきました。しかし、全てを救えるわけではありません。かつて世話をした青年が命を絶ったという知らせが勝部さんのもとに届きました。まだ20代半ばで、母親を亡くしたあと一人で悩んでいたと言います。数ヶ月前には就職したと挨拶に来ていました。

 

半年後、勝部さんは再び佐藤さんの家を訪れました。佐藤さんを連れてきたのは、引きこもりがちな人たちが社会復帰を目指す「豊中びーのびーの」です。勝部さんは5年前から彼らが集まれる場所を作ってきました。ここに来ることが佐藤さんの社会復帰の一歩になると考えたのです。佐藤さんは少しずつ自分のことを語り出しました。

 

孤立は誰でも陥る病です。38歳で高齢出産した母親も孤独に苦しんでいました。出産後ヘルニアで入院。思うように育児ができなくなりましたが両親は亡くなり、夫は単身赴任。彼女もまた社会から孤立し一人で悩んでいました。自立した女性が増え責任感から一人で抱え込む母親が増えていると言います。一人にしてはいけないと勝部さんはボランティアを頼める手はずを整えました。さらに地域の住民にも相談。しかし、住民はお金がある人を助けることに戸惑いをみせました。それでも勝部さんの説明に住民は少しずつ理解を示しました。2016年2月、地域の母親の集まりに彼女は参加しました。孤独の苦しみから抜け出し、自分なりの育児ができるようになりました。




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

コメントは管理人の承認後に表示されますのでしばらくお待ち下さい。管理人からの返信はありませんのでご了承ください。