萎縮社会 誰もが標的…批判におびえる人々|とくダネ!

学生証が…不思議な募金活動

都内の大学に通う熊本出身の大学生たち「関東くまもと学生会」は先月18日からJR新宿駅前で募金活動を続けています。その募金箱には学生証が提示されています。さらには、これまでの募金額と実際に振り込んだ明細書まで掲げていました。彼らがここまで信用を打ち出す理由は何でしょうか?

 

その発端は熊本地震以降とりざたされた不謹慎狩り。ネット上で震災にまつわる発言や活動に「不謹慎だ」と非難が浴びせられました。タレントの紗栄子さんが義援金として約500万円を寄付し、振り込み表の画像を公開したところ「偽善」「売名行為」とバッシングが殺到。それは被災した当事者にも。

 

自宅が倒壊したタレントの井上晴美さんがブログで被災地の状況を伝えると、批判の声が相次ぎ情報発信もやめてしまいました。そして今、非難の声は一般の支援活動にまで広がっています。

 

地震に便乗した詐欺など全国各地で募金をめぐるトラブルが起きているのは事実ですが、被災者への募金をここまで遠慮しなければならない現状があります。

 

関東くまもと学生会の幸山祐介さん(21歳)は自宅に戻ると、自分たちの活動が人にどう映っているのか気になり検索をかけます。検索ワードは「新宿」「募金」など。するとJR新宿駅前で彼らの募金を見た人が投稿したコメントが。

 

「新宿の募金系が怪しい」
「駅前ででかい声でパフォーマンスするぐらいだったらバイトして募金すればいいのに」

 

バイトして募金すればいい」という言葉は募金活動中に直接言われたこともあると言います。非難されるくらいならやめた方がいいのか、そんな迷いも頭をよぎるそうです。

 

一部の批判に萎縮してしまうのは、震災以外の場所でも広がっています。

 

マークをつけず おびえる妊婦

マタニティマークは体調不良になりやすい妊婦に優しい社会を目指そうと厚生労働省が10年前から配布。交通機関などを利用するさいに着用をすすめています。しかし…

 

マタニティマークをつけていたら同性の方にぶつかられたという書き込みを見て怖いなと。妊婦だから優先席に座って当たり前みたいな顔しているって思われるのがちょっと怖い。

 

確かにネット上には「妊婦が何様のつもりだと言われた」「友人がわざと足を引っかけられた」などの書き込みがあります。

 

「わざわざ見せびらかして恥ずかしくないのか」と言われた女性も。こうした状況からマタニティマークを付けることに萎縮してしまう妊婦たち。

 

こうしたバッシングは一部ですが、ミキハウス子育て総研の調査によるとマタニティマークをつけなかった、もしくは途中で外したという妊婦の数は合わせて4割を超えています。なぜそれほどまで一部の批判に反応するのでしょうか?

 

35歳の山田明子さん(仮名)は4年前、第一子を妊娠していた時はマタニティマークをつけていましたが、第二子妊娠中の今はマークを着用していないと言います。実際に被害にあっていなくても、ネットの書き込みを見ると不安に思ってしまうそうです。すでにこの萎縮社会と呼べる状況は驚くべき場所に飛び火していました。

 

「迷惑だから」萎縮する子供たち

千代田区にある和泉公園はボール遊びができるのは毎週木曜日と土曜日の2時間のみです。そのスペースはフェイスの内側だけで、使えるボールも指定されています。実は和泉公園は周辺住民の苦情により普段のボール遊びが禁止されているのです。

 

つまんない。サッカーを外でやることがなくなってきた。怒られたりしてあんまりやらなくなった。(公園に遊びに来ている子供)

 

ボール遊びだけでなく大声で遊ぶこと自体自粛してしまっているのです。今や子供が自分たちを迷惑と感じる社会になっているのです。

 

「とくダネ!」
真相チェイス!直撃御免

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