噴火予知へ!火山の動きを可視化|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+(ゆめのとびらプラス)」で噴火予知へ!謎多き火山の動きを見える化が放送されました。噴火は日本人にとって身近な災害です。世界には約1500の活火山があり、そのうち110が集まる日本は世界有数の火山大国です。噴火の予知は可能なのか?専門家は厳しい現実を口にします。そんな謎多き火山に独自のアプローチで挑む2人の男がいます。東京大学地震研究所の田中宏幸さんと東京大学大学院理学系研究科の森俊哉さんです。2人の研究に共通するのは人の目に見えない火山の動きを可視化することです。

 

有毒ガスから火山を解明せよ

2015年5月29日、鹿児島県の口永良部島の火山が噴火。噴煙は上空9000mにまで達し火砕流が斜面をかけおりました。口永良部島では地震計やGPS、遠望カメラなどを使い24時間体制で火山観測を行っていました。ところが噴火や停電の影響でこれらの観測装置に障害が起こりました。火山の状態を把握する手段が限られる中、独自の観測方法で島民の帰還に貢献したのが東京大学大学院理学系研究科の森俊哉(もりとしや)さんです。森俊哉さんは火山の活動をとらえる上で手がかりとなる火山ガスを世界で初めて可視化させました。森俊哉さんは火山ガス研究のエキスパートです。

火口付近で目に見える白い噴煙のほとんどは水蒸気。一方、二酸化硫黄は無色透明。これまで目で確認することはできませんでした。火山の噴火は大きく3種類に分けられます。地下のマグマが上昇し火口から噴き出すマグマ噴火、地下のマグマが地下水を熱し沸騰した水蒸気が噴き出す水蒸気噴火、マグマも水蒸気も一緒に噴き出すマグマ水蒸気噴火です。森俊哉さんはこれらの噴火と二酸化硫黄の因果関係を研究しています。

森俊哉さんは観測装置のついた車で噴煙の下を通過してその範囲の二酸化硫黄の量をはかり、それを何度も繰り返し風速も考慮した上で火山から噴出している二酸化硫黄の量をはじきだします。これまでの定点観測よりも噴煙に近づけるぶんより精度が高いと言います。二酸化硫黄と噴火活動の関係を解明できれば噴火予測の実現につながるかもしれません。

 

世界初!火山を透視 マグマまで映す

イタリアは日本と同様火山国です。火山学発祥の国とされその研究は世界のトップクラスです。そんなイタリアの学者たちがこぞってアドバイスを求める日本人研究者がいます。東京大学地震研究所の田中宏幸(たなかひろゆき)さんです。田中宏幸さんは火山観測で世界初の成果を上げ、研究者たちの尊敬を集めています。

田中宏幸さんは2006年、北海道の昭和新山の内部の透視に成功。まるで火山のレントゲンです。この火山の透視で噴火予測が進化すると期待されています。火山の内部の透視のカギとなったのはミュー粒子です。

地球には宇宙から宇宙線という極めて小さな粒子が降り注いでいます。この宇宙線が大気とぶつかると様々な素粒子に変化しますが、その一つにミュー粒子があります。ミュー粒子は特殊な装置を使って見ることができます。空から降り注ぐミュー粒子は巨大な火山をも通り抜けます。マグマなどの密度の低い場所や空洞部分は多くの粒子が通り抜けます。岩石などの密度の高い場所は通りぬける粒子が少なくなります。通り抜けたミュー粒子を装置でとらえることで点で絵を描くように中の密度の画像にできるのです。田中宏幸さんはこの技術で世界で初めて火山を透視しました。

2013年に噴火が起こった鹿児島県の薩摩硫黄島。田中宏幸さんは噴火直後から約1ヶ月かけて火口付近を撮影。こうして田中宏幸さんは世界で初めて火山内部のマグマの動きを連続撮影することにも成功しました。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。コメントは管理人の承認後に表示されますのでしばらくお待ち下さい(スパム対策)