やせる脂肪で肥満に立ち向かえ!|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+(ゆめのとびらプラス)」でやせる脂肪で肥満に立ち向かえが放送されました。脂肪はダイエットの大敵だと思われていますが、私たちの体の中にはやせるのに役立つ脂肪が存在していると言います。WHOによると世界で14億人が太りすぎ。日本でもメタボリック・シンドロームの人は予備軍を含め2200万人。放っておくと心筋梗塞や脳卒中などに繋がる危険性も。そんな肥満の問題に科学で挑むのが北海道大学名誉教授の斉藤昌之(さいとうまさゆき)さんです。自ら実験台となり世界で初めて発見したのが大人には存在しないと言われてきた「やせる脂肪」。それは世界中の肥満研究者たちを驚かせました。

 

世の中には食べても太らない痩せ型の人もいれば、それほど食べなくても太る肥満型の人もいます。一体なぜでしょうか。その謎を解くカギが痩せる脂肪。斉藤昌之さんは初めてそれを大人の体内で発見しました。痩せる脂肪の正体は「褐色脂肪細胞(かっしょくしぼうさいぼう)」。褐色脂肪は大人で50~60gくらい持っていると考えられています。褐色脂肪は理論上、1年間に3.6kgの脂肪を燃やして減らすことが出来るのです。そもそも脂肪には2種類あります。1つは白色脂肪。食べた物をエネルギー源にするため脂肪を溜め込みます。もう一つが体を温める役割をするやせる脂肪、褐色脂肪です。脳からの指令によりやせる脂肪が活性化すると白色脂肪を燃やし皮下脂肪や内臓脂肪を減らすことが出来ます。ところが、やせる脂肪は新生児であれば誰でも多く持っているのですが大人になると50gほどに減ってしまいます。また痩せている人は褐色脂肪の量が多めですが、肥満の人は極端に少ないと言います。また痩せ型の人でも年齢を重ねるごとに減っていきます。その割合は30代で半分以下になり50代では10人に1人とかなりの少数派に。

 

実はお馴染みのダイエット法にやせる脂肪を増やす力がありました。トウガラシに含まれるカプサイシンがやせる脂肪を増やし体脂肪を減らすと言います。またショウガやわさび、からしなどの辛味成分も痩せる脂肪を増やすのに効果的。よく噛んで食べる方が太らないのにも痩せる脂肪の働きが。よく噛むと交感神経が刺激されノルアドレナリンが分泌。痩せる脂肪を増やし体脂肪を燃やしてくれるのです。カテキンの脂肪燃焼効果もやせる脂肪によるもの。カテキンの豊富な緑茶を20代男性が1日2回、5週間飲み続けたところ、やせる脂肪が2倍に増える結果に。おなじみのダイエット法の影には痩せる脂肪の働きがあったのです。そして斉藤昌之さんはやせる脂肪を増やすさらなるノウハウを突き止めていました。

 

1970年代から肥満の研究に取り組んできた斉藤昌之さん。当時、日本で肥満は美容上の問題とされ医学界では見過ごされていました。しかし斉藤昌之さんは食の欧米化が招く健康上の問題を見通していました。将来、日本でも肥満が社会問題となりその対策が求められる時代がきっと来ると、斉藤さんは研究をはじめました。それから14年、ようやく画期的な発見をしました。マウスをある状態にさらした時、体内の痩せる脂肪が増加することを突き止めたのです。それは寒冷刺激。マウスの体を氷で冷やすと痩せる脂肪が増え、結果脂肪の燃焼が促進されました。世界的な学会で発表するものの、その反応は期待はずれなものでした。哺乳類の多くは褐色脂肪を持っていますが、人は子供の頃にあったものが大人になるとなくなってしまうというのが当時の常識だったからです。しかし斉藤昌之さんは人間の大人にもやせる脂肪がきっとあると考えていました。そんな時、PETで褐色脂肪らしき物が映りこんでくるという報告がありました。がん検査の最先端機器だったPET(ペット)ですが、脂肪組織が映りこみ誤診のもとになるという注意点がありました。斉藤昌之さんは誰も見たことがないやせる脂肪も映し出せるのではと考えました。そして自らの体で褐色脂肪細胞の検出実験に挑みました。しかし斉藤さんからは褐色脂肪が検出されませんでした。ところが、教え子の体から褐色脂肪が検出されたのです。人間の大人にも褐色脂肪細胞は存在するという医学界の常識を覆す発見を海外の研究者たちは賞賛。斉藤さんは一躍世界的な研究者たちと肩を並べました。