チリ・アタカマ砂漠 世界で一番乾いた場所|地球イチバン

NHK総合テレビの「地球イチバン」で世界で最も乾いた大地チリ・アタカマ砂漠について放送されました。アタカマ砂漠の広さは日本の国土の約半分。年間降水量はわずか10ml以下という世界で最も乾燥した大地です。アタカマ砂漠にはギネス記録に認定された世界一雨が降らない村があります。それがオアシスの村キリャグアです。キリャグア村でこの40年間で雨が降ったのは3回だけ。

海と山に挟まれたアタカマ砂漠は海側は冷たい寒流のため海水の蒸発が少なく雨を降らす雲がほとんどできません。一方、山側ではアマゾンの熱帯雨林から来る湿った空気がアンデス山脈でさえぎられてしまいます。こうした地形が世界一雨が降らない大地を作っているのです。しかしキリャグアは緑豊かです。

キリャグア村に住むフロレンティーノ・アヤビレさん(77歳)は10歳の頃から農業を続けてきたと言います。水はロア川の水を使っています。ロア川はアタカマ砂漠を横断して流れています。水源は雨ではなくアンデスの雪解け水。しかしロア川の水は塩分を含んでいます。かつてアンデス一帯は海の底だったからです。塩分量は少ないので草木は育ちますが人は飲めません。キリャグア村には週に5日、生活用水が運ばれてきます。かつてはロア川の水を蒸留して飲んでいましたが、今では外からの水に頼りきっています。水は1日に1時間だけ村の共同タンクから引き出すことが出来ます。

フロレンティーノさんには3人の子供がいますが、もう村にはいません。村の若者たちは次々と街へ出て行きました。しかし、かつてはキリャグア村も活気に満ち溢れていました。村中の人がロア川の水を引き込んで作物を育てていました。トウモロコシをはじめニンジンやジャガイモなど豊かな実りをもたらしていたのです。実り豊かな村を変えてしまったのもまたロア川です。40年程前から水量が大きく減り始め畑に引く水が足りなくなったのです。

なぜ水は失われたのでしょう。ロア川の中流に近年急成長を遂げている街があります。人口14万人の都市カラマです。カラマの街の発展を支えているのはチュキカマタ銅山。アタカマ砂漠には貴重な鉱物資源が多く眠っています。銅の精錬には膨大な量の水が必要です。そのために巨大なパイプラインがロア川上流から引かれています。街で消費する水もロア川から汲み上げ蒸留したものです。キリャグア村の人の多くは15年前、鉱山開発のためロア川の水を利用する権利を売ったのです。経済が潤うことで村人も飲み水を簡単に手に入れられるようになりました。

砂漠の繁栄と衰退は繰り返されてきた歴史でもあります。サンタフェが作られたのは19世紀後半。白い金と呼ばれた硝石の鉱脈が発見されたことがきっかけでした。硝石ブームに沸き立ち町が次々と作られました。ロア川の水も大量に使われました。やがて水は減りサンタフェも捨てられました。

そんな中、限られた水で今も豊かに暮らす村があります。標高3660mにあるクポです。1日の寒暖差は40℃にもなるという過酷な土地です。それでも段々畑でトウモロコシやジャガイモを育てています。段々畑は200年以上にわたり受け継ぎ使ってきたものです。畑の水の源はアンデスによって雪や雨が染み出したものです。しかし水量は激減していると言います。それでもクポ村がやってこられたのはいくつもの水源に張り巡らされた水路にあります。わずかな水を集約し村中の畑に配るのです。




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