ノロウイルス新型対策&予防法|ためしてガッテン

NHK総合テレビの「ためしてガッテン」でノロウイルス新型対策&予防法SPが放送されました。ノロウイルスの感染者はこの20年で100倍以上に急増。ノロウイルスの感染力はインフルエンザの1000倍です。

 

ついに出現!新型ノロウイルス

新型のノロウイルスGⅡ・P17(カワサキ変異株)はその名の通り見つかったのは神奈川県川崎市です。2014年3月、川崎市内の医療機関で数人の子供たちが突然激しい吐き気と下痢を訴えました。すぐに診断キットを使って検査したものの反応はありませんでした。そこで詳しい検査を依頼されたのが川崎市健康安全研究所。そして今まで存在しなかった全く新しいノロウイルスであることが判明しました。過去の大流行を受けて世界各国の研究機関がNORO-Netという監視網を作っています。それによると川崎で新型のノロウイルスの発生が確認されたのが2014年3月。しかし2014年1月に中国広東省と江蘇省で新型とみられる集団感染が起きていました。ここから台湾、香港へ。たまたま監視網に引っかかったのが川崎だったのです。そして今年になってアメリカ、オーストラリア、フランス、イタリア、オランダ、ニュージーランド、ロシアでも新型ウイルスの感染が確認されています。ノロウイルスの感染が初めて確認されたのは1968年です。ノロウイルスという呼び名がついたのが13年前です。

 

驚きの研究!ノロウイルスの正体を暴く

ノロウイルスの正体を明らかにするきっかけになったのは、ある1本の画期的な論文でした。2002年、アメリカの大学や研究機関が共同で大実験を行いました。実験には性別、年齢、人種も様々なボランティア(77人)が集められました。実験ではノロウイルスに汚染された水をあえて飲み、感染力の強さや感染しやすい人を見極めました。それにより、わずか10個程のウイルスでも激しい症状を引き起こす強い感染力があることが分かりました。さらに何度実験を繰り返しても全く感染しない人がいることも分かりました。実験でノロウイルスにかかった人は44人、かからなかった人は33人いました。

 

感染する・しないの謎

ノロウイルスへの感染しやすさを決める要因は血液型でした。実験ではO型の人の発症は60%でしたが、A型の人は44%、B型の人は33%、AB型の人は0%でした。ノロウイルスはわずかな水分やホコリにくっついて口から体の中に入ってきます。喉や気管、肺などには目もくれず小腸へ。ノロウイルスが感染するのは小腸だけなのです。小腸には厚い粘膜の壁があり、簡単に侵入できません。しかしノロウイルスは粘膜の壁を突破し増殖。8時間で数十万倍に。増殖の時に小腸の細胞を破壊して嘔吐や下痢を起こすのです。小腸を破壊し尽くすとウイルスの増殖は止まります。AB型の場合、ノロウイルスは小腸の壁を突破できません。小腸の表面には鍵穴(抗原)があり、かぎ穴(抗原)の形は血液型によって異なります。ノロウイルスが持っているカギはA型、B型、O型なのです。そのためAB型の人は感染しなかったのです。

 

しかし2003年、北海道でノロウイルスの集団感染が発生。ABO式血液型との関係を調べるためアンケート調査が行われました。するとA型の感染率は71%、B型65%、O型64%、AB型55%という結果に。ノロウイルスは進化、変化をとげているのです。2002年のアメリカの実験で使われたノロウイルスは1990年代に大流行したウイルスでした。ノロウイルスはどんどん進化を続け、より多くの人に感染しやすくなっているのです。

 

カキとノロウイルスに秘められた壮大な謎

北海道大学大学院工学研究院環境創生学部門の佐野大輔さんはノロウイルスがどのように人に感染するのか追跡調査を行っています。長年の研究から最も重要なターゲットは牡蠣でした。海水には1リットルあたり1個程のノロウイルスが漂っています。カキは海水中の汚れを取り込んで浄化する能力があります。しかし、このときノロウイルスも一緒に取り込んで濃縮してしまうのです。そもそも海水のノロウイルスはどこから来るのでしょうか?佐野さんはノロウイルスの出どころを調べました。そこで分かってきたルートが川。川の水の場合、1リットルあたり100~1000個のノロウイルスがいることが判明。このノロウイルスは下水処理場から流れてきていました。下水1リットルの中には10万個ものノロウイルスがいたのです。

 

上下水道が整備された先進国では感染症は減りますがノロウイルスだけは例外です。また航空機など交通網の発達によって短期間でウイルスが世界中に運ばれてしまうのです。

 

ノロウイルス撃退!最新研究

現在、下水処理場では様々な方法で殺菌をしています。しかしノロウイルスの全ては取り除くことができないのです。普通の細菌やウイルスは表面に膜があるためアルコールなどを使うと溶けて感染できなくなります。一方ノロウイルスは特殊で膜がありません。そのため一般的な消毒の効果がないのです。佐野さんはノロウイルスをまとめて捕まえようという研究を行っています。下水からノロウイルスを取り除くための切り札が腸内細菌SENG-6。この腸内細菌はノロウイルスだけを見分けてくっつけるのです。

 

一方、家庭でノロウイルスの感染を防ぐ方法も研究されています。渋柿に含まれるタンニンがウイルスのたんぱく質に作用して固め感染できないようにしてくれると言います。

1、渋柿を沸騰したお湯で5分煮る
2、皮ごとすりおろし絞る
3、渋柿の汁と消毒用アルコールを1:2で混ぜる

 

食生活でノロウイルス予防!

ノロウイルスの予防効果が期待されているのが乳製品。乳製品の中にはラクトフェリンという特殊なたんぱく質が含まれています。ラクトフェリンは腸に入るとバリアのようにノロウイルスの侵入を防いでくれると考えられています。ある研究によると毎日乳製品をとったグループでは感染率が3分の1以下に激減。これに手洗いや消毒も加えてしっかりノロウイルスを撃退しましょう。


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