多頭飼育崩壊~ペットの飼い主になにが~|特報首都圏

NHK総合テレビの「特報首都圏」で多頭飼育崩壊~ペットの飼い主になにが~が放送されました。今ペットが増えすぎて生活が破綻に追い込まれる多頭飼育崩壊が相次いでいます。多頭飼育崩壊に陥ってしまう人のほとんどはペット業者とは無縁の一般の飼い主です。高齢化や単身世帯が広がる中でペットを飼うことで人生を豊かに過ごそうという人も少なくない時代です。そうした中、なぜ多くのペットを飼うことで深刻な問題が起きてしまうのでしょうか。

 

多頭飼育崩壊 現場で何が

神奈川県のボランティア団体たんぽぽの里では捨てられた猫などを保護し新しい飼い主を探す活動をしています。最近増えているのが多頭飼育崩壊に陥った飼い主からの相談です。ある日、連絡を受けて向かうと46匹の猫が飼われていました。栄養状態の悪い猫も見つかりました。飼い主は当初2匹から飼い始めましたが、繁殖などで増えていったと言います。今回は比較的早く相談が寄せられましたが、生活が崩壊するまで発見されないケースも多いのだそう。多頭飼育崩壊で問題となるのは周辺への影響です。各地の自治体にはニオイや鳴き声に関する苦情が数多く寄せられています。動物そのものへの影響も深刻です。劣悪な環境でケガや病気、栄養不足が広がり衰弱死した状態で見つかる場合もあると言います。飼い主の生活が破綻し深刻な事態に陥るケースもあります。去年、関東の民家で大量の猫が保護されました。家の中では34匹の猫が放し飼いにされていました。壁は引っ掻かれ糞尿が散乱。不衛生な状態になっていました。一人暮らしだった飼い主の男性は猫を残して自殺しました。テーブルに書き残されたメモから経済的に追い詰められ飼育が難しくなったことがうかがえました。

 

なぜ起きる?多頭飼育崩壊

自治体へのアンケートで最も多く指摘された要因は不妊去勢に対する意識の低さです。猫や犬は繁殖力が強く1年で数十匹まで増えてしまう恐れがあるにも関わらず知らない飼い主が多いと言います。また高齢や病気をきっかけに世話が難しくなったり経済的な理由で飼育する余裕がなくなったりすることがあげられています。60代の女性は3年前まで100匹以上の猫を飼育していました。シングルマザーとして子育てや介護に追われてきた女性は、飼っていた猫が心の支えだったと言います。女性の猫への執着は次第に強まり公園などで捨てられた猫を見つけると家で世話をするように。さらに女性が沢山の猫を飼っているという噂が広まり家の前に頻繁に捨てられるようになりました。その猫がさらに繁殖し急激に数が増えていったと言います。当時、女性が住んでいた街の保健所には近所からニオイに関する苦情が寄せられていました。保健所では何度も家を訪ね猫の譲渡先を探すよう勧めましたが女性は手放すことを躊躇い続けたと言います。やがて猫は100匹以上に増加。餌代は月100万円にもなり、一戸建ての家を売らなければならなくなりました。女性はようやく猫をボランティア団体に譲渡する決心をしました。

 

どう防ぐ多頭飼育崩壊

早くから多頭飼育崩壊の問題に取り組んでいるのが茨城県です。犬や猫を合計10匹以上飼育している人に住所、氏名、動物の数などを届け出るように条例で義務付けています。ポイントは崩壊に陥る前に兆しを見逃さないことです。そこで届出があった人のもとを県の職員が定期的に訪れ、飼育状況を確認することにしたのです。異変が見つかると改善のための指導や、動物を引き取るボランティアの紹介などいち早く対応しています。飼い主への心のケアの必要性を指摘しているのが帝京科学大学の横山章光医師です。横山さんは多頭飼育崩壊に陥った人から聞き取り調査を行ってきました。多くの飼い主に共通するのは動物が衰弱したり極めて不衛生な状態になったりしても、それを認めようとせず飼育に固執するという点です。横山さんはモノを溜め込んでしまう精神疾患が関係している場合もあると考えています。こうした症状は海外ではアニマルホーディング(動物のため込み)と呼ばれ精神科医や臨床心理士による指導がすすめられています。




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