サル痘ウイルス|アンビリバボー

フジテレビの「アンビリバボー」でサル痘ウイルスについて放送されました。2003年5月、アメリカ・ウィスコンシン州に住むシャイアン・アウツァー(3歳)は発熱と発疹のため病院へ。医師からは、しょうこう熱だと診断されました。しかし1週間後、シャイアンの容態は悪化し緊急搬送。検査を行った結果、シャイアンの体から見つかったウイルスは天然痘ウイルスによく似ていました。天然痘ウイルスの正確な起源はいまだに分かっていません。紀元前より死に至る病として人類を大いに苦しめてきました。天然痘ウイルスは強い感染力を持ち、発症すると40度以上の高熱と共に体中に発疹などの症状があらわれます。根本的な治療法はなく、解熱剤の投与などで症状を抑えることしか出来ません。しかし天然痘ウイルスは200年前に開発された天然痘予防ワクチンによって徐々にその猛威は終息。最後に発症が確認されてから2年間、誰一人感染者が現れなかったことからWHOは1979年に天然痘の根絶を宣言していました。

 

シャイアンと感染の疑いのある看護師が隔離病棟へ移されました。医師たちはCDC(疾病予防管理センター)に通報し、CDCの職員はシャイアンが感染したウイルスの検査を開始。しかし同じ頃、インディアナ州の病院でも同様の症状に苦しむ6歳の少女がいました。すでに感染は広がり始めていたのです。さらに感染の疑いがある人間が3つの州で19人も見つかりました。

 

CDCが詳しく調べた結果、ウイルスは天然痘ウイルスではなくサル痘ウイルスであることが判明。サル痘ウイルスとは58年前、サルから見つかったことでその名がついたウイルスです。もともとはアフリカに生息するネズミやリスなどの体内に存在し、その中にいる限り悪さをすることはありません。しかし、ヒトやサルに感染すると高熱や発疹など天然痘とよく似た症状がでるのです。また形状も天然痘ウイルスとそっくりです。天然痘と比べると致死率や感染力は低いものの根本的な治療法がないのは同じです。サル痘ウイルスはアフリカの一部で発見されてきただけで、その地域以外からの報告はこれまで一切ありませんでした。しかもシャイアンだけでなく、他のどの患者もアフリカに行ったこともなければ、その地域の人と触れ合うような機会もありませんでした。

 

感染源はプレーリードッグでした。しかしサル痘ウイルスの発生源はアフリカでプレーリードッグは北米の草原地帯のみに生息する動物です。つまりプレーリードッグもまた何者かによって感染の被害を受けた犠牲者だったのです。プレーリードッグにサル痘ウイルスを感染させたのはアフリカオニネズミでした。ペットの卸業者はアフリカオニネズミを西アフリカのガーナから輸入。プレーリードッグなどと共に狭い籠に押し込め全米を回っていました。その間にネズミと接触したプレーリードッグがサル痘ウイルスに感染。さらに、そのプレーリードッグを購入した人たちが次々と感染しサル痘を発症したのです。

 

懸命な水際対策の効果もあり感染者は6つの州71人のところで食い止められ、奇跡的に死者は一人も出ませんでした。


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