ホウ素中性子補足療法(BNCT)|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+」でホウ素中性子補足療法について放送されました。2014年5月、大阪医科大学で今までにないがん治療が始まろうとしていました。田中イサ子さん(当時65歳)は悪性髄膜腫という進行の速い脳腫瘍に苦しんでいました。再発を重ね治療はすでに限界で余命は1年たらず。田中さんは研究段階の新しい治療法にかけました。この研究で世界一の臨床経験を持つのが大阪医科大学がんセンター特務教授の宮武伸一(みやたけしんいち)さんです。

 

宮武伸一さんが行う研究段階の最先端治療はホウ素中性子補足療法、通称BNCTです。治療ではホウ素化合物を点滴し、ホウ素ががん細胞に行き渡ったところで原子炉から放射線の一種である中性子を当てます。中性子はホウ素に当たると細胞1個分の規模で核分裂しがん細胞を破壊。ホウ素を取り込まない正常の細胞はこの治療で傷つくことはないと言います。通常の放射線治療のように患部全体に当てるのではなく、患部の中のがん細胞を狙い打つという画期的な方法です。

 

ホウ素中性子補足療法(BNCT)は所属も専門も違うスペシャリストがその技術を持ち寄ることで初めて成立しています。例えばがんに取り込ませるホウ素化合物はもともと神戸大学で開発されたもの。今は大阪府立大学が世界に先駆けて研究を進めています。BNCTは様々な大学や医療機関が研究中なのです。

 

2014年6月、フィンランドで開かれた国際学会で宮武伸一さんは特別賞を受賞しました。170例もの臨床実績が評価されました。患者の余命を平均2倍、特に悪性度の高い脳腫瘍で約3倍に伸ばすことができました。一方、有効な治療につながらなかったケースも少なくありません。課題の一つが多くの患者に起こる照射後の脳の腫れ。宮武伸一さんは必死に原因を探りました。そして血管新生阻害剤に腫れを抑える効果が高いことを確認しました。しかし薬は保険がきかず3ヶ月で約100万円の自己負担となってしまいます。そこで保険適用に向け全国の医療機関に協力を求めました。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。コメントは管理人の承認後に表示されますのでしばらくお待ち下さい(スパム対策)