血糖値スパイクが危ない|NHKスペシャル

NHK総合テレビの「NHKスペシャル」で血糖値スパイクが危ない ~見えた!糖尿病・心筋梗塞の新対策~が放送されました。正常であれば血糖値は緩やかに変化します。ところが、血糖値スパイクが起きるとまるで尖った針のような急上昇を繰り返すのです。調査によれば血糖値スパイクが起きている人は全国で推定1400万人以上。健康診断で正常と言われている人たちの中にも次々と見つかり始めています。

 

食事を摂ると、その中に含まれる糖分が腸から血液中にとりこまれます。この血液中の糖の量が血糖値です。血糖値が上がるとすい臓からインスリンが血液中に放出されます。インスリンには筋肉など体の細胞に糖を送り込む役目があります。こうして血糖値の上昇が抑えられます。ところが、血糖値スパイクを起こしている人は体の細胞が糖を取り込む能力が低く血液中の糖が急増します。そこですい臓は、さらに大量のインスリンを放出して何とか細胞に糖をとりこませ血糖値を下げます。その結果、食後に血糖値が急上昇し、また正常に戻るという針のような血糖値スパイクが起きるのです。

 

最新研究で発見!心筋梗塞の意外な原因

森山寛さん(43歳)は、突然胸が苦しくなり緊急入院しました。診断結果は心筋梗塞。心臓の筋肉が死んでいく危険な病気です。動脈硬化が起きて血管が詰まっていたのです。森山さんはこれまで健康診断で心臓に問題を指摘されてことはありませんでした。医師から告げられた心筋梗塞の原因は血糖値スパイクでした。心筋梗塞と血糖値スパイクの意外な関係を突き止めたのは病院で行われた調査でした。

森山さんのような心不全の患者を調べると、実に半数もの人で血糖値スパイクが起きていることが分かりました。また患者の心臓を詳しく調べると、共通して動脈硬化が多発していました。血糖値スパイクはなぜ動脈硬化を多発させるのでしょうか?イタリアの最新研究で、その謎が解き明かされました。

実験で用意したのは、血管の壁の内側の細胞。細胞を糖分が多い溶液と少ない溶液にかわるがわる浸します。血糖値の急激な上昇が繰り返し起きているような状態です。その後、特殊な顕微鏡を見てみると細胞の中で活性酸素が大量に発生していることが分かりました。血糖値が急上昇する状態を2週間続けると、活性酸素によって細胞の42%が死んでしまいました。これが動脈硬化を多発させる原因になります。血糖値が急上昇すると、血管のあちらこちらの細胞で活性酸素が大量に発生。細胞が傷つけられます。それを修復しようと免疫細胞が血管の壁にはりつき中へ入り込みます。すると、壁が盛り上がり、至る所で血管の内側が狭くなります。こうして動脈硬化が多発するのです。

「血糖値スパイクは糖尿病の前段階ではないんです。血糖値スパイクは、それ自身が病気なんです。心臓に悪さをしている、血管に悪さをしている。これが循環器疾患を作っている現状があります」(国立循環器研究センター 北風政史さん)

 

解明!血糖値スパイクが認知症を引き起こす

血糖値スパイクが起きている人は血液中にあふれた糖分を減らそうと、すい臓から大量にインスリンが放出されています。実は、この大量のインスリンが思わぬ危険を招くことが最新の研究で分かってきました。浅く水をはった大きな水槽の一か所に台を沈めます。そこへ現れたのがインスリンの量が正常で血糖値スパイクが起きていないネズミ。水槽の中に入れると、必死に泳ぎまわって台を見つけてよじのぼりました。実験を繰り返すたびにネズミは短い時間で台に辿り着けるようになりました。台のある場所を記憶できた証拠です。ところが、インスリンの量が多く血糖値スパイクが起きている状態のネズミでは結果が全く異なります。何日実験を繰り返しても、なかなか台がある場所が覚えられないのです。記憶力が大幅に低下してしまっているのです。このとき、ネズミの脳の血管の表面にはアミロイドβと呼ばれるたんぱく質が大量に付着していました。アミロイドベータはアルツハイマー型認知症の原因とみられる物質です。脳に蓄積すると神経細胞を死に至らせます。そんな恐ろしい物質が血糖値スパイクの人の脳では増加し、認知症のリスクを高めている可能性が注目されています。

「アミロイドβの蓄積のいちばん最初の引き金は血糖値スパイクです。血糖値スパイクに対する対策がいちばん最初にできるアルツハイマー秒に対する予防策ではないかと思います」(大阪大学医学部教授 森下竜一さん)

 

血糖値スパイク 解消法

1、食べる順番に気を付けろ
ごはんより先に野菜を食べると血糖値が上がりにくいということはよく言われていますが、その他にも先に食べると血糖値スパイクが起こりにくくなる食べ物があります。ポイントは肉に含まれる脂質やたんぱく質にあります。これらが腸へと送られるさい、インクレチンという物質が腸から放出されます。その働きで胃や腸の働きが遅くなり、後からご飯を食べたとき糖の吸収が遅くなるのです。

2、厳禁!朝食抜き
朝ごはんを抜くと昼ごはんの後に血糖値スパイクが発生してしまいます。さらに、朝も昼も食べないと夕食後にもっと大きな血糖値スパイクが現れます。

3、食後すぐにちょこちょこ動け
通常、食後15分間は食べ物の消化・吸収を良くするため血液が胃や腸に集まります。ところが、この間に体を動かすと血液が手や足の筋肉に奪われ、胃腸の動きが鈍くなります。その結果、糖の吸収が遅くなり血糖値の上昇が抑えられるのです。つまり、食後すぐに体を動かすのがポイントです。

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