高血圧を改善するホルモンANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)|たけしのみんなの家庭の医学

ABC朝日放送の「たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学」で高血圧とANPについて放送されました。

高血圧になる大きな原因は塩分の摂りすぎです。血液の塩分濃度が高くなると、その濃度を薄めようと周りの細胞から水分が集まります。すると、血液の量が多くなり血管の壁を圧迫してしまうのです。これこそが高血圧の状態。この高血圧が続くと血管が硬く狭くなってしまう動脈硬化を引き起こし、やがて心筋梗塞や脳梗塞など命に関わる重大な病につながってしまうのです。そんな高血圧を改善する方法と言えば減塩が大切なのですが、減塩習慣を続けるのは難しいのが現実です。例え、しっかり守ったとしても思うように改善できない場合もあると言います。実は近年、高血圧が簡単に改善できるヒントを与えてくれた生物がいます。それこそがクジラです。クジラはとても長生きで、中には200歳を超すものもいます。

産業技術総合研究所人間情報研究部門主任研究員の菅原順(すがわらじゅん)さんは、毎日のように海に潜る海女さんの血管の状態を調べました。平均年齢65歳の海女さん115人の血管年齢を調べたところ、実年齢より平均11歳も若い血管を持っていることが判明したのです。血管が若いということは血圧のコントロールが出来ているという証です。ではなぜ、海に潜る海女さんの血管は若々しいのでしょうか?

海女さんの血管が若いのは水に潜った時の水圧によって分泌されるANPというホルモンが関係していると考えられています。水に潜ると水圧が体に加わり、特に柔らかい手足の静脈が圧迫されます。すると、心臓により多くの血液が戻り心臓の一部が大きく拡張します。その時に心臓の筋肉から大量に分泌されるのがANPというホルモンなのです。ANPとは心房性ナトリウム利尿ペプチドの略。心臓で分泌されたANPは全身に送り出されますが、特に大きな影響を与えるのが腎臓です。ANPが腎臓に働きかけると、排尿が促されます。すると、体の中から高血圧の大敵である塩分が尿とともに体外に排出されるのです。その結果、血圧が低下し血管を若く保ってくれるというのです。事実、ANPは血圧を下げて心臓への負担を減らす心不全の治療薬として使われています。

ANPは海やプールに入るなどしなくても、心拍数が上がると分泌されると言われています。そのため息が弾むくらいの運動をすると良いのです。