手のしびれ|チョイス@病気になったとき

NHK・Eテレの「チョイス@病気になったとき」で何とかしたい手のしびれが放送されました。

 

手のしびれに潜む病とは?

松渕正之さん(69歳)は2年程前から右手がしびれるようになりました。次第にモノを掴む感覚もなくなり、腕もうまく上がらないことが増えてきました。ついには利き手がうまく使えなくなり、左手のみを使う生活に。松渕さんは年のせいと諦めていましたが、ようやく専門の外来を受診することにしました。診断の結果は変形性けい椎症。しびれの原因は手ではなく首の骨にあるというのです。頭を支えている頸椎は7つの骨で形成されています。その骨の近くには脊髄と神経根が通っており、その神経は手の感覚も司っています。しかし、加齢などによって頸椎に変形が起こると、骨が変形しこれらの神経が圧迫されるために手がしびれるようになるのです。その後、医師からはしびれをとるには手術が良いと勧められたのですが、松渕さんは手術をすることに抵抗がありました。変形性けい椎症の手術は1週間~10日の入院が必要で、退院後も2週間ほど装具で首を固定する必要があります。

 

松渕さんのチョイスは?

松渕さんがチョイスしたのは手術でした。松渕さんは好きな釣りをまた出来るようになると言われたこと、自分より年上の80代の患者さんも同じ手術をして症状が改善したことを知り、手術を決断したのです。手術は「けい椎前方除圧固定術」と呼ばれる方法でした。神経を圧迫している変形した首の骨を除去することが目的です。首の前から切開し、飛び出た骨を専用のドリルできれいに丸めます。さらに首を安定させるために骨と骨の間にある椎間板にチタン製のボルトを入れて固定します。手術後は首の変形がおさまり神経を圧迫することがなくなりました。松渕さんは術後すぐに効果を実感できたと言います。右手のしびれがなくなった松渕さんは趣味の釣りも再び楽しめるようになりました。

 

変形性けい椎症の治療

変形性けい椎症と診断されてもすぐに手術とは限りません。消炎鎮痛薬やビタミンB12などの薬で神経痛を抑えたり、首を引っ張り神経の圧迫を和らげる牽引治療や装具で首を固定するなどして症状を緩和させるための治療を行う場合もあります。骨の変形が進行して、日常生活に支障が出るようになった場合は手術が検討されます。手術費の目安は3割負担で20~25万円程。しかし、高額療養費制度を利用すれば自己負担額は9万円程です。自分が納得いくまで医師とよく相談し、手術を行うかどうか検討しましょう。

 

ほかにもまだある しびれの原因

伊藤明美さんは10年程前から右手の掌がしびれるようになり変形性けい椎症と診断されました。診断後は整形外科に通い神経への圧迫を緩和させるために、けん引治療を受けました。治療後はいつも一時的に症状が落ち着きました。しかし2015年、これまでとは違うしびれが伊藤さんを襲ったのです。今度は親指から薬指にかけてもしびれが起こるように。伊藤さんは受診先を変えることにしました。

ダブルクラッシュとはしびれの原因が2つある状態のこと。伊藤さんの場合、一つは首に原因がある変形性けい椎症。そして新たに手根管症候群であることが判明しました。手根管とは手首の内側にある靭帯や骨などで囲まれたトンネルのこと。このトンネルには親指から薬指の感覚を司る正中神経が通っています。この手根管が何らかの原因で腫れてしまうと、正中神経を圧迫し指先にしびれを感じるようになるのです。実は伊藤さんのようにしびれの原因が複数あるケースは珍しくありません。しびれの症状がいつもと違うと感じたら要注意です。

 

手根管症候群を見分けるファーレンテスト

両手の甲を合わせ腕を水平にする(30秒キープ)
手のひら側の親指や人差し指などにしびれを感じる場合は手根管症候群の疑いがあります。

 

手のしびれ

手根管症候群:親指から薬指の半分にかけてしびれる
肘部管症候群:薬指の半分から小指にかけてしびれる
橈骨神経まひ:手の甲側の親指や人差し指がしびれる

受診のさいは手のどこが、どんな風にしびれるかを事前にまとめておきましょう。

 

脳の異常簡単チェック法

1、両腕を肩の高さにあわせて前に出し、手のひらを天井に向ける
2、目を閉じて30秒そのままの姿勢を保つ

水平を維持できなかったり片手が内側に回るなどした場合は異常の疑いがあります。急にしびれや脱力を感じた場合は迷わず救急車を呼びましょう。

 

しびれの主な受診先

オススメはしびれ外来です。ない場合は脳神経外科、神経内科、整形外科、総合診療科などを受診しましょう。

 

ベストチョイスへの道

しびれには必ず原因がある
あきらめず徹底的に調べて改善を目指す