下肢静脈瘤|チョイス@病気になったとき

NHK・Eテレの「チョイス@病気になったとき」であなどれない!足の静脈瘤について放送されました。むくみ、だるい、足がつる実はこの3つの症状にある病気が隠れていることがあるのです。その病気とは下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)足の静脈に血液がたまり血管が浮き出る病気です。見た目や痛みぐらいではと、つい放置してしまうことも。しかし、その結果さまざまな症状が出ることがあります。でも、足の静脈瘤はきちんと治療すれば必ず治る病気です。

 

人間と切っても切れない病気

岡部ひろみさん(62歳)は長い間、足の静脈瘤と付き合ってきました。最初の異変は30代の時に起こりました。右足のふくらはぎの血管がふくらみ浮き出ていたのです。最初のうちは時に困らなかったので気にしていませんでした。しかし、数年経つうちに足のだるさとはれ、むくみを感じるようになってきました。そんな状態でも放っておいた岡部さん。別の病気で受診した皮膚科で「血管の病気かもしれない」と言われました。岡部さんは医師にすすめられ血管外科を受診しました。まず行ったのは超音波エコー検査。ボコボコした足の静脈を詳しく検査したところ下肢静脈瘤だと分かりました。

血液は心臓から動脈を通って全身に送り出され、その後静脈を通って戻ってきます。静脈はとてもよく出来た仕組みを持っています。中でも足の静脈は、体の下までおりてきた血液を重力に反して上まで持ち上げなければいけません。そのため静脈にはいたるところに弁がついています。血液が逆流せず心臓まで戻るために必要な弁なのです。しかし弁が壊れてしまうと、しっかり閉じずに逆流を止めることが出来なくなってしまいます。その結果、静脈の中に血液がどんどん溜まって静脈は膨らんでいきます。静脈がふくらんだ結果、弁はさらに閉じなくなり血液が溜まりやすくなります。特に立ったままでいる時間が長いと血液が溜まっている時間も長くなります。すると皮膚に近い静脈は太く膨らみ静脈が浮き出てしまうのです。これが下肢静脈瘤です。溜まった血液からは水分がにじみ出し、周りの細胞にも溜まってしまいます。そのため、むくみやだるさを感じるようになるのです。

岡部さんの場合、以前の仕事は幼稚園の先生。立っている時間が非常に長く1日6時間立ちっぱなしの時もありました。さらに2度の出産も加わり静脈瘤が悪化してしまったのです。

 

足の静脈瘤 発症割合

15~29歳 13%
30~49歳 55%
50~69歳 61%
70歳~ 75%

 

足の静脈瘤のタイプ

伏在型(ふくざいがた)
進行するとむくみ、腫れ、だるさ、痛み

網目状
軽症。特に症状もでず病気としてはあまり心配はない。見た目だけの問題。

 

足の静脈瘤になりやすい人

長時間の立ち仕事、運動不足、肥満、妊娠、出産、女性、家族歴

 

下肢静脈瘤はどんなに進行しても命に関わる病気ではありません。しかし、自然に治ることはなく、一度なってしまうと徐々に進行していきます。治療のタイミングは生活に支障が出てきた時です。

 

岡部さんは60歳を過ぎた頃、さらに他の症状もあらわれました。朝方こむら返りを起こすようになったのです。そこで岡部さんはレーザーファイバーによる治療をチョイスしました。まず静脈に開けた小さな穴からレーザーファイバーを入れ、エコーが確認しながらふくらんだ静脈を焼いていきます。すると血管は閉じ、やがて消滅します。傷口はレーザーファイバーの入り口だけで、ほとんど目立ちません。そのため手術後、1時間で歩いて帰宅することができます。手術後、弾性ストッキングを履いて2~3ヶ月の間生活することが大切です。

足の静脈瘤の治療はタイプによって異なります。伏在型の静脈瘤はレーザーや高周波で血管を焼いてしまう血管内治療ですが、網目状の静脈瘤には硬化療法が中心になります。

 

気づかずに治療が遅れてしまったケース

森田きみ子さん(67歳)は夫と2人で青果店を営んでいます。5年前、森田さんは足のくるぶしのあたりにかゆみを感じました。かゆみはどんどんひどくなり、皮膚科を受診。塗り薬での治療を始めましたが、かゆみはよくならず、かき壊したため皮膚に穴があき潰瘍になってしまいました。皮膚科の医師から静脈瘤ではないかと言われ、血管外科を受診。右足に静脈瘤が見つかりました。森田さんの足のかゆみは静脈瘤が原因でした。

静脈瘤で血液が一か所に溜まってしまうと、血管から様々な成分が漏れ出して皮膚に炎症を起こします。すると、皮膚を異物から守るバリア機能が低下しかゆみが起こるのです。

森田さんもレーザーで膨らんだ血管を焼き切る血管内治療を受けました。さらに生活習慣の改善も行いました。自宅では立った状態をできるだけ少なくし、座った時も足を高くする生活を心がけました。また足首を動かす体操も気づいた時に行うようにし、寝る時も足を高くして就寝するようにしました。その結果、傷はきれいに治りました。

 

下肢静脈瘤を予防する体操

[つま先立ち体操]
つま先立ちをしてゆっくり戻す(10回)

[ゴキブリ体操]
仰向けに寝て両手両足を上げブラブラ(30秒間)

 

足の静脈瘤 ベストチョイスへの道

・治療の選択は慌てる必要はない
・きちんとした検査と診断で納得した治療を行う