大屋政子の孤独な晩年|爆報!THEフライデー

今から30年前、元祖セレブタレントとして一世を風靡したのが大屋政子(おおやまさこ)さんです。1980年代、ド派手な衣装と大阪弁で一躍お茶の間の人気者に。

歌番組では独特な歌声を披露。さらに、CMに出演するなど国民的人気をはくしました。そして、ついには「マダム大屋のお金バンザイ!」という自らの冠番組を持つまでに。

そんな彼女の本業は女社長。高級ゴルフ場をはじめ不動産、病院、海外レストラン、バレエ教室などを次々と展開。高級車に乗って当時憧れの移動電話を使い交友歴も華やか。オードリー・ヘプバーンやロッド・スチュアート、ミッテラン元フランス大統領夫人など国内外のVIPと交流を深め元祖セレブタレントとして話題を集めました。

何より世間を驚かせたのが大豪邸です。大阪一の高級住宅街・帝塚山に建てられた700坪の3階建て地下2階。部屋は全部で14部屋あり、キッチンルームも7つ。寝室はベッドまで歩いて2分もかかる広さ250畳。その総資産は300億円と噂されました。

しかし大屋政子さんの死から15年、あの大豪邸はもうありません。その原因は大屋政子さんの知られざる晩年にありました。

玉の輿婚でクラブ歌手からセレブに

大屋政子さんが一躍有名になったのは1950年。クラブの歌手として生計を立てていた29歳の時、現職の運輸大臣だった大屋晋三(おおやしんぞう)さんとの玉の輿結婚でした。

その後、夫は大臣を辞め大手繊維メーカー帝人の社長に就任。そして、娘の登史子さん誕生後、大屋政子さんは自らも会社をおこし事業を開始しました。

事業を始めて30年、帝人の社長である夫の協力もあり、ただのクラブ歌手だった大屋政子さんの総資産は300億円に。海外の社交界でも名をはせ、各国から様々な文化勲章が送られました。

夫の死後

金、地位、名誉すべてを手にした大屋政子さんでしたが1980年に夫が死去。大きな後ろ盾を失った大屋政子さんに、関係者は手のひらを返したかのように彼女の事業をバッシングし始めました。

そして、明るかった大屋政子さんもお金に異様に執着するようになり、周囲の人間に対して異常なまでの猜疑心が芽生えるように。

その裏には大屋政子さんの人に対する恨みがありました。

心の闇

実は大屋政子さんは大物国会議員だった父を持つ生粋のお嬢様です。しかし、19歳の時に父が急死すると生活は一変。母子家庭として貧しい生活を余儀なくされました。

困窮した親子が父の知り合いを訪ねても父が死んだ途端に手のひら返し。人は絶対に信用できない、信じられるのはお金だけと思うようになってしまったのです。

テレビに出ては明るく振舞っていた大屋政子さんですが、その裏では大きな心の闇を抱えていたのです。

そして、その猜疑心は身内にも向けられるようになりました。何と大屋政子さんはマスコミに対し、娘に会社をのっとられると騒ぎ立て家族と絶縁状態になったのです。

側近の裏切り

1996年、オーナーの名門ゴルフ場で側近に2億3000万円を横領されてしまいました。管理と運営を任されていた側近がコースの修復費や改装費など架空工事を数十件繰り返していたのです。

翌年、このゴルフ場が多額の負債を抱えていたことが発覚。その額なんと100億円。彼女は負債を返済するため国内外のゴルフ場のほかマンションや保有株式などを次々売却。家族と絶縁し人に裏切られ、唯一の味方だった金にまで逃げられてしまったのです。

胃がん

さらに、1997年に胃がんが発覚。手術で胃の3分の2を切除したものの、がんは他の臓器にも転移していて余命2年と宣告されました。

絶頂期はどこに行くにも大名行列ができていた大屋政子さんでしたが、病室に見舞いに来る客はほとんどいませんでした。

そんな中、唯一寝泊りして付き添っていたのは、かつて大屋政子さんが絶縁を告げた愛娘でした。過去のわだかまりは残っていたものの、娘は母の看病を続けました。

死の直前、大屋政子さんは娘に「こんな弱い母親でごめんな」と言ったそうです。そして1999年1月に大屋政子さんは亡くなりました。

大屋政子の死後

彼女の死後、総資産300億円と言われた遺産は大豪邸と株など数億円にまで減っていました。

大屋政子さんの死から15年、大豪邸は解体され老人ホームになっています。この老人ホームは大屋政子さんの遺志を娘が継いで建てたものです。

「爆報!THEフライデー」

この記事のコメント

  1. りんご より:

    大屋政子さんの下で働いていた方と話しをしたことがあります。

    テレビで見るイメージとちがって 低い声で話をするそうですし、控えめな方のようでした。

    知り合いがたくさんいても お友達はいないんですね。

    人間 お金の匂いがするところには、 集まるけれどそうではないところには誰もよりつかないということ。

    色々な有名人の晩年をみているとしみじみそう思います。

    若いころは 反発していましたが、 ある程度長く生きていると、世の中やっぱりお金なんだと思います。