筋肉で血糖値を下げるAMPキナーゼ|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+」で筋肉で血糖値を下げるAMPキナーゼについて放送されました。筋肉からは様々な物質が分泌され私たちの体を守っていることが近年明らかになってきました。そんな筋肉の神秘を解き明かすのが首都大学東京教授の藤井宣晴(ふじいのぶはる)さん。藤井宣晴さんは筋肉細胞から20種類ものホルモンを発見しました。

 

筋肉に関する興味深いデータがあります。筋肉量が減った男性は維持した男性に比べて病気による死亡率が2倍に。特に呼吸器疾患による死亡率は2.6倍も高くなったと言います。

 

筋肉が生み出す物質はホルモンだけではありません。それらの新物質で薬を作ろうと世界中で研究が行われています。日本では2011年に藤井宣晴さんを中心に国家的プロジェクトがスタートしました。新物質はがんの発症率の低下、アルツハイマー病の予防、脳卒中の予防、うつ病の予防などに効果が期待されています。

 

筋肉で血糖値を下げる

藤井宣晴さんはインスリンに頼らずに血糖値を下げる物質を世界で初めて筋肉から見つけだしました。この世界初の発見には一人の患者との出会いがありました。38歳の時、藤井宣晴さんはハーバード大学ジョスリン糖尿病センターで研究を行っていました。ロジャース・マークさんは19歳で糖尿病を発症。マークさんは藤井宣晴さんに「サッカーをやり出したら体調が見違えるほど良くなった」と言ってきました。糖尿病患者が運動を行うと良いのは常識ですが、藤井宣晴さんはマークさんの言葉と表情から常識以上の効果、さらなる可能性を感じました。藤井宣晴さんが目をつけたのは筋肉でした。その理由はかつて心筋を研究した経験からでした。実は心筋は心臓病の改善につながるホルモンを分泌しています。ならば全身の筋肉も心筋と同じように何らかの物質を出し血糖値を下げるかもしれないと考えたのです。

 

しかし筋肉の中には運動することで活性化される物質は60種類以上もあります。どれが血糖値を下げる物質なのか、一つ一つ検証するには莫大な研究費がかかります。困難に直面した藤井宣晴さんを支えたのがマークさんの存在でした。藤井宣晴さんは筋肉のみならず人体の全てを学び直しました。そしてAMPキナーゼという物質に注目。糖尿病研究ではマイナーな物質でしたが、AMPキナーゼは人間が行う様々な行動に必要に応じて糖を分配するという役割をしています。糖の在庫がなくなった時、AMPキナーゼを活性化させると血液から糖を調達。結果、血糖値を下げることを藤井宣晴さんはつきとめました。90年前に発見されたインスリンに次ぐ大発見です。

 

インスリンは血液中で糖を捕らえエネルギーとして消費させますが、AMPキナーゼは筋肉から糖を捕まえにいきエネルギーとして消費させます。経路は違えど2つの血糖値を下げる効果はほぼ同じです。藤井宣晴さんは10年以内にAMPキナーゼを活性化させる新薬の開発を目指しています。さらに藤井宣晴さんはより効果的に筋肉のAMPキナーゼを活性化させる運動を突き止めました。その運動とは少し速めのジョギングを10分するだけ。これだけで活性化されると言います。運動が苦手な人は汗が出るか出ないか程度のスピードで30分以上走れば同じ効果があります。また寝た状態で軽いダンベルを持って疲労を感じる程度の運動でも効果が見込めます。

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