水道発電で捨てているエネルギーを集める|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+」で水道発電について放送されました。中野製作所の中野和明さんは水道水のエネルギーを発電に利用したいと考えています。名づけて水道発電。日本で使われる水は1年で琵琶湖一つ分。その全てを水道発電に使えば発電出力は約10万キロワット。約3万世帯分の電力になります。オフィスや工場など水が流れる場所さえあれば水道発電は可能です。上下水道の配管に並べて設置するという構造も。水道発電の可能性は無限です。

 

中野製作所は大手メーカーから発注を受け産業機械を製造している下請けメーカー。従業員は13人です。通常業務が終わりみんなが帰った後が水道発電の開発の時間です。試作品は3年で1000を超えました。何が何でも水道発電を製品化したいと背中を押すのは下請けであるがゆえの思いです。それは中野和明さんの父・中野義明さんが幾度も味わってきました自分たちが開発した製品なのに特許が取れないというもの。父の悔しさを間近で感じてきた中野和明さん。中野製作所発の水道発電は親子二代にわたる夢なのです。

 

夢の始まりは3年前、取引先から寄せられた相談でした。自動で噴出するタイプの芳香剤は電池式のものが多いですが、その電力をトイレの中にあるエネルギーで補えないかというもの。中野和明さんはまず照明でソーラー発電を試みましたが発電量が少なく断念。そこで目をつけたのが水の流れ。エネルギーで羽根を回し発電できないかと考えました。しかし小さな町工場にとって羽根を試作するコストがネックに。その後も中野和明さんは試行錯誤を続けました。そしてある日、磁石を使えないかとチューブの中に落としてみたところ磁石がなぜか回り始めました。チューブの中に水を流したところ磁石はより高速で回りました。この回転する力を使えば発電ができると確信しました。

 

着想から2年、試作機が形になりました。水道の蛇口を開けると水の流れで小型の羽根なしタービンが回転し発電。電気は蓄電して使います。これを水道設備の中に内蔵しようというのが中野和明さんの構想。そうすれば家中の水回りを小さな発電所にできます。鍵となったのはタービンは羽根つきという常識を覆した羽根なしタービンです。試作機を形にして1年が経った頃、羽根のないタービン発電機の特許証が届きました。誰よりも喜んだのは何度も悔しい思いをしてきた父の中野義明さんでした。