円城寺雄介 救急搬送を変えた男|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+」でたらい回しをなくせ!救急搬送を変えた男について放送されました。2006年、分娩を待つ32歳の妊婦が激しい頭痛に襲われ意識を失いました。治療できる専門医を探したものの19もの病院に受け入れを断られました。ようやく運ばれた先で意識を失ったまま出産。しかし8日後、命を落としてしまいました。こうした悲劇を繰り返さないために立ち上がったのが佐賀県の県庁に勤める円城寺雄介(えんじょうじゆうすけ)さん。救急患者の搬送件数は全国的に増え続け1件あたりの搬送時間も10年間で約10分も伸びています。そんな中、搬送時間の短縮に成功したのが佐賀県です。

 

円城寺雄介さんの信条は現場主義。まずは地元の消防署を訪ね救急車に乗せてもらえるよう頼みました。そこで見たのは搬送する病院を探すため1件1件電話をかける救急隊員の必死な姿。もっと早く搬送先を探す方法はないのかと円城寺さんは考えました。円城寺さんの情熱は佐賀県の医療界をも動かしました。救急医療のキーパーソン阪本雄一郎教授の協力を得ることが出来たのです。そして行政・消防・病院が協力し、わずか1年で画期的なシステム「99さがネット」が誕生しました。タブレットの画面にはあらゆる診療科目が表示されています。まず病院側が現在どんな専門医が待機しているかをリアルタイムで入力。救急隊が画面から患者の症状に合った科目を選択すると、その時点で受け入れ可能な病院が表示されます。このシステムには病院側の意識をも変えてしまう秘密がありました。

 

タブレットには各病院の受け入れ件数と断った件数が表示されています。受け入れが多い順に並べられています。このアイディアが医師たちの意識を変えました。医師たちの意識が変われば現場も変わりました。群馬県ではシステム導入から1ヶ月で「受け入れ不可」が3割も減ったのです。円城寺雄介さんのシステムには国も期待を寄せています。そして円城寺さんはこのシステムを普及させようと日本全国を飛び回っています。現在、タブレットやスマートフォンを使った救急搬送システムを8府県が導入し27県が導入を検討しています。さらに円城寺さんのシステムは埼玉県と群馬県で新たな展開を見せています。隣接する2つの県の病院の情報をタブレットの操作一つで共有できるようになったのです。埼玉の救急隊が行政の垣根を越え群馬の病院の情報を見て搬送することが出来るのです。円城寺さんの取り組みは今年4月からの小学校の社会科の教科書にも紹介されています。