上村大輔 海洋生物から肥満治療薬を作れ!|夢の扉+

TBSテレビの「夢の扉+」で上村大輔さんについて放送されました。せき止め薬に使われることがあるのは桜の樹皮、解熱鎮痛剤によく入っている成分を持つのは柳の木。古来、人類は多くの薬を植物から作り出してきました。21世紀の現在でもほとんど手付かずの未開の場所が日本の海。そこには新薬につながる無限の可能性が広がっています。その開拓者が神奈川大学理学部教授の上村大輔(うえむらだいすけ)さんです。

 

上村大輔さんはかつてクロイソカイメンから抗がん物質を発見し、乳がんの治療薬開発に繋がりました。日本で生まれたその薬は現在世界50カ国以上で承認され、多くの乳がん患者の苦しみを和らげています。新薬開発に繋がる功績が認められ2009年に紫綬褒章を受章。ところが、そんな上村さんの研究には海洋生物から取り出せる物質の量がごく僅かという問題があります。クロイソカイメンの場合は約600kgを海から採取したものの、そこから取り出せる目当ての物質はわずか12.5mgでした。

 

藍藻とはサンゴや岩に付着して生息する藻の一種で、原始の地球に酸素を作り出したあらゆる生命の源とも言える海洋生物です。上村さんは長年の研究から薬に繋がる物質は海洋生物が食べたエサの中に豊富に含まれているのではないかと考えました。そこで食物連鎖の末端に位置する藍藻に注目したのです。多様な物質を含むと世界的にも注目されている藍藻ですが、上村さんは藍藻から脂肪を消費する物質を探しています。現在、体に蓄積された脂肪に直接働きかける肥満治療薬はありません。上村さんの夢はその薬の開発です。